在職中や退職後に死亡したときの年金

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在職中や退職後に死亡したときの年金

ID: 0000136 / 更新日: 2025年4月1日更新 / 印刷ページ表示

​遺族厚生年金​

支給要件

遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者や厚生年金の被保険者だった人が死亡し、次の1.から4.のいずれかに該当したときその遺族に支給されます。

  1. 厚生年金被保険者が死亡したとき。
  2. 厚生年金被保険者であった間に初診日のある傷病が原因で、退職後その初診日から5年以内に死亡したとき。
  3. 2級以上の障害厚生年金、障害共済年金等の受給権者が死亡したとき。
  4. 保険料納付済期間等が25年以上の方又は資格期間が25年以上である老齢厚生年金等の受給権者が死亡したとき。

1.から3.の要件を「短期要件」と言います。4.の要件を「長期要件」と言います。

夫の死亡当時に30歳未満である子のない妻の受給権は5年で、また、30歳未満の子のある妻であっても30歳に到達する前に遺族基礎年金の受給権が消滅した場合はそのときから5年が経過したところで遺族厚生年金の受給権は消滅します。

保険料納付要件

死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、その国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が全体の2/3以上であること。(令和8年4月1日前に65歳未満で死亡したときは、その死亡日の属する月の前々月までの直近1年間に国民年金の未納期間がないこと。)

遺族の範囲と順位

遺族とは、厚生年金被保険者または厚生年金被保険者だった人の死亡当時、その亡くなった人と生計を共にし、かつ恒常的な年収が850万未満である人で、次の順位になります。

(1)配偶者 (2)子 (3)父母 (4)孫 (5)祖父母

注意

  1. 子や孫については、18歳到達年度の末日までの間にあるか、または20歳未満で2級以上の障害等級に該当する状態にあり、現に婚姻をしていない人になります。
  2. 夫、父母、祖父母については、55歳以上の人になりますが、60歳に達するまで支給停止になります。ただし、夫については、遺族基礎年金を受けることができる場合には60歳到達前でも支給されます。
  3. (3)~(5)の人については、先順位の人が遺族に該当した場合、後順位の人は遺族に該当しません。​

年金額

遺族厚生年金の額は、次の式で計算した(1)と(2)の合算額となります。

(1) 報酬比例部分=(ア+イ)

 ア.平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月以前の被保険者期間の月数×3/4

 イ.平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数×3/4

注意

  1. 短期要件による遺族厚生年金の場合、被保険者期間が300月に満たない時には300月みなしの保障措置があります。
  2. 上記算式は、組合員期間が300月以上の場合です。
  3. 他の種別の被保険者期間も計算の基礎となる場合は、種別ごとの報酬比例部分(実期間分)を合算して年金額を計算します。

(2) 中高齢寡婦加算額

受給権取得日において40歳以上65歳未満である妻に加算されます。ただし、遺族基礎年金を併せて受けることができるときにはその間支給が停止されます。昭和31年4月1日以前に生まれた妻が65歳以上になると妻の生年月日に応じた「経過的寡婦加算額」が加算されます。長期要件に該当することにより遺族厚生年金が支給される場合には、夫の厚生年金被保険者期間が240月以上ある場合に加算されます(623,800円(令和7年度額))。

遺族基礎年金

支給要件

遺族厚生年金を受給できる人が次の要件に該当するときには、原則として遺族基礎年金も支給されます。

  1. 遺族厚生年金を受給できる配偶者で、子がいるとき。
  2. 遺族厚生年金を受給できる子がいるとき。

年金額

次の(1)と(2)を合算した額です。(令和7年度額)

年金額
 

(1)

(2)

妻が受ける遺族基礎年金 831,700円 子2人目まで一人につき:239,300円
子3人目から一人につき:79,800円を加算
子が受ける遺族基礎年金 831,700円 子1人のとき:---
子2人のとき:239,300円
子3人目から一人につき:79,800円を加算

遺族共済年金(経過的職域加算額)

支給要件​

一元化前の遺族共済年金の受給要件(平成27年10月1日以降の組合員期間中に初診日がある公務傷病により死亡した場合を除きます。)を満たすときは、その遺族に遺族共済年金(経過的職域加算額)が支給されます。遺族の範囲及び生計維持要件については、遺族厚生年金と同様になっています。ただし、夫については、遺族共済年金(経過的職域加算額)と同一事由による遺族基礎年金の受給権を有するときは当該年金の支給停止は行われません。
公務等による死亡の場合は、一定の割増計算となり、最低保障額が設けられていますが、国家公務員災害補償法等により遺族補償年金等が支給される間は、当該年金のうち300月に相当する部分の額が支給停止されます。

支給要件の画像

年金の決定まで

年金の請求​

年金の請求は、遺族が行うことになっています。

請求手続き

支給要件に該当した遺族は、遺族厚生年金の請求書を元組合員が被保険者として加入していた実施機関(共済組合の場合は最後に加入していた支部、連合会または最寄りの年金事務所)に提出してください。

決定と支給

遺族厚生年金の年金決定は、複数の実施機関に係る被保険者期間がある場合、短期要件と長期要件はそれぞれ次のとおりになります。

年金決定の要件
短期要件 原則として死亡した際に加入していた実施機関において複数の被保険者期間の分も一つであるとみなして年金額が決定・支給されます。
長期要件 それぞれの実施機関において、それぞれの加入していた期間に応じた年金の決定・支給を行われます。

遺族基礎年金については、日本年金機構が年金の決定と支給を行います。